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memo

2024/04/26
悟浄総モテ現パロ、53。
……おまえに惹かれる。善悪も正否も無く。おまえの魂を誰にも渡したくない。……口が裂けても言わねェが。
薄暗い車内。助手席から身を乗り出し、悟浄の唇を塞ぐ三蔵。一度は応えたものの、キスの深くなる気配に、悟浄が三蔵の肩をつかんで離します。「……こんなトコでカーセクするつもりかよ。だったらホテル行こーぜ」心外だという態度を隠しもせずに、三蔵が悟浄を見返します。「脱がなきゃいーだろ」「……おまえそーゆーの好きだったっけ?」至近距離でみつめ合うふたり。悟浄の手を取り、自分の頬にあてがう三蔵。仕草とは裏腹に、悟浄を見下げて、笑います。「……人のカラダ散々作り替えておいて、イイ気なもんだな」手を重ねたまま、頬を擦り寄せる三蔵。「……八戒にも、一つ一つ、ドコで気持ち良くなれるか教えてやったのか?一番柔らかい場所がドコにあるか気付かせてやったのか」「……三蔵」「受け入れてやって裸にして曝け出させて、泣き喚いたらブチ込んで宥めて、カラダもココロも抵抗力奪って、あとはテメェが好きに喰うだけだな。大したご趣味じゃねェか」察した悟浄の顔色が曇ります。「……三蔵。もういいって」「おまえが抱きたい時にいつでも抱けるカラダだ。……おまえは何人でも同じことが出来るんだろうが、コッチはおまえに触れられただけでたまらねェよ」壮絶な色気と共に、熱い溜め息を吐いてみせる三蔵。「……おまえに救われた羊を哀れに思う気持ちが少しでもあるなら、精々全身全霊で慰めることだな」三蔵の胸倉をつかむ悟浄。眉一つ動かさない三蔵を突き放して、呟きます。「……バカ野郎」三蔵に構うことなく、エンジンをかける悟浄。三蔵がフンと鼻で笑います。軽蔑と愛おしさの入り混じったような笑み。「……勃ってんじゃねェか、クソ河童」「……るせェよ」それきり無言のまま、車は走ります。
……ホテルのベッドに俺の背を沈めて、悟浄は、俺の頬を撫でた。「……苦しまねェようにシてやっから」自嘲の滲む表情で、悟浄が自覚的にそれを言ったのが解った。ぞっとするほどの慈悲の掌。まるでその指の隙間から零れ落ちるのを、許さないとでも言うように。悟浄は何一つ惜しまず俺に与えた。易々と性感を引き出し、喉奥まで迎え入れて飲み下し、自ら受け入れ方を覚えさせたソコを掲げ、躊躇無く舐めた。腹立たしいほど器用な指と、慰撫を繰り返す唇。キスをすることも忘れるほどの献身ぶりに、俺は背後に身を捩って、名前を呼んだ。悟浄は痛みを堪えるように眉を顰め、身を乗り出して舌を絡めた。足りないものを埋める為に深く求めようとすると、悟浄は不意に俺の頭をシーツに押し付けた。押し当てられた感覚に、最後に残っていたものを手放して目を閉じる。言葉も無く悟浄は俺を犯し、奥にアテられた俺は切ない射精に震えた。頭に触れた手が疑いようのない優しさで俺を撫で、内側が全て赦されたように甘くとける。重なる手に胸が締め付けられ、俺はこの男に注がれる為の器になったことを理解した。悟浄の重みと体温に包まれ、頭を抱え込まれて、舌を交わす。今度のキスは終わらなかった。喘ぎは飲み込まれ、容赦なく貫かれる恐怖と、決して救われることのない幸福感が迫り上がる。時折混じる悟浄の呻きと、痛いほど俺を掴む悟浄の手。為す術もなく墜ちてゆくのを感じながら、俺は悟浄の行き着く先をねだった。何度も。……おまえに縫い止められるのが死ぬほどイイなんて、全く馬鹿げた話だ。
続く。
2024/04/14
悟浄総モテ現パロにお付き合い下さってる方、ありがとうございます。因みに前回ラストの八戒は、無印六巻”その時の、君の顔といったら”のメンタルをうっすら意識しました(※この話で八戒が死ぬ訳ではありません)。「ここにいればいいのに」を原作おさげちゃんのセリフとかぶせちゃうのはやり過ぎだと思ったんだけど、単純に他に言い回しが思いつかず。ごめん悟空。あと一応この話のタイトル決まってまして。『貴方の海に満ちる月』です。まあ悟浄総モテ現パロであることに変わりはないです。
2024/04/12
悟浄総モテ現パロ、悟空と八戒。「うーん、悟浄ってやっぱり、『ガキだから』っていうスタンスは崩さないと思うんですよ。普通にいってもまず無理なんで、ちょっと頭使わないと」悟空の部屋。ゲーム休憩で一緒にポテチとか食ってます。パリポリ。「え、色仕掛けってこと?」「……どうですかね……向き不向きがありますから」「……確かに、八戒って何かちょっとエロイもんな」「……そうですか?」「うん。悟浄好きそう。」「……」真実味のある悟空の悟浄評を、つい味わっちゃう八戒。「悟浄って、俺のこと全然そーゆー目で見てなかったからさ。意識してほしくて色々やったけど、何か全部空回りしてるっつーか」「……そもそも論なんですけど。僕はともかく、悟空的には、三蔵からの略奪愛はアリなんですか?」うっ、と言葉に詰まる悟空。テーブルに突っ伏して、しばらく唸った末。「………………ワンチャン?」「……ワンチャンですか」「……正直、付き合うとかは無理だろーなって、思ってるよ。俺だって悟浄のこと好きだし、ずっと好きだったけど……」少し、言葉を選ぶ素振りを見せる悟空。「……でも、三蔵の方が、悟浄のこと好きだと思うし」「三蔵の気持ちはともかく、悟浄本人が三蔵より悟空のこと好きになっちゃう可能性は全然ありますよね?」しれっと言い放つ八戒。笑おうとして失敗したような顔で、固まる悟空。「……やっぱ、スゲェよな。八戒って。」「……それ褒めてないですよね?」「うん、まあ、褒めてはねぇんだけどさ。でもちょっとソンケーかも。気持ちが強えっつーか」ほどけたように笑って、後ろ手に身体を預ける悟空。「……俺さ、八戒ここ来てくれて良かったなと思ってて。家で一緒にゲーム出来る友だちとかいなかったからさ」「……ちょっと意外です」「んー、友だち全然いない訳じゃねえんだけど。俺けっこー、何だろ、馴染むの苦手でさ。三蔵とか悟浄の前だと普通なんだけど」「……」「あと八戒の前でも普通、っていうか、何か落ち着く。八戒が大人だからかもしんないけど」「……全然大人じゃないですよ。僕なんて」「……あー、俺が八戒のこと好きだからってだけかも」「……タラシですよね、悟空って」「ええ〜?悟浄じゃねェんだからさ」ちょっと嫌そうに言う悟空に、笑う八戒。そんな八戒をみつめながら、悟空が言います。「……八戒、このままここにいればいいのに」不意に、悟空の口調が大人びたものに変わります。「……俺らに言えない事情とか色々あって、カンタンじゃないのかもしんないけどさ。三蔵も悟浄もあんなんだけど一応大人なんだし、俺もあと二年くらいはこの家いるし。……あっ、八戒、俺と一緒に住まね!?」唐突な提案に目を見開く八戒。「……悟空と僕でですか?」「俺、三蔵たちにいっぱい迷惑かけちゃったから自立したくてさ。大学卒業したら一人暮らししようと思ってたんだけど、八戒いてくれたらすげえ楽しそうじゃん」「……悟空と僕でですか?」「そ!……あ、でも八戒その頃どうしてるかまだわかんないか。つーか俺も就職決まんないとだけど。……あ〜就活したくねえ〜」「……」「……八戒?」黙りこくってしまった八戒の顔を、覗き込む悟空。ふわふわした口調で、八戒が返します。「……すみません、びっくりしちゃって。……ありがとうございます」へらっと笑う悟空。「何だよそれ」
そして。結局朝を待たず先に落ちてしまった悟空を、見下ろす八戒。幼くて無防備な寝顔を、穏やかな気持ちでみつめます。……この胸の痛みこそが救済なのだと知ったら、貴方は、どんな顔をするだろう。「……悟空になら、責められてもいいかな」
続く。悟浄モテ要素薄めだけどここは書いておきたかった。悟浄も言ってましたが八戒はオチてません。全然。
2024/04/07
2日遅れだけど悟空お誕生日おめでとう!そしていつも悟浄と仲良くしてくれてありがとう。悟浄って悟空のことめっちゃ好きだと思うので、今後ともどうぞご贔屓に。
春が辛いので蜂の巣を久しぶりに読み返しました。面白い。峰倉先生も「機会があればいくらでも描きたい作品」とコメントされてるけど、五話六話なんか読んじゃうと、先生の描きたいことってこの先っていうか奥っていうかもっと深いところにあるんじゃないかって、当時感じたのと全く同じ感想を今回も持ちました。この一冊で終わるには余りにも惜しい。ッあ〜〜山崎イイなあ〜。アウトローなノリが多い峰倉キャラの主人公陣の中で、二人ともお役人ていうのもまた違った味があってイイんだ。あと漆原のメンタルが私のヘキを刺してくる。やめてくれ。……むしろこっちが原体験だったりするかな。意識してないだけで。
2024/04/04
31日に拍手押して下さった方、ありがとうございます!
悟浄総モテ現パロ、悟浄と三蔵の車内。ナビも無く走り出した悟浄の隣で、おとなしく揺られる三蔵。「……何か久しぶりだな、こーゆーの」「……ああ」「どっか行きてーとこある?」「……何でデートみてえになってんだ」「デートだろ?」呆れを隠さずに溜め息を吐く三蔵。「こんな時間に行きてェとこも何もねえだろうが」「ま、そーね」「どうせ決まってんだろ。……今更オトす必要もねェんだから、好きにしろ」「……」近頃の慣れた仕草で、悟浄は三蔵に手を伸ばします。掌が頭に触れた途端、ビクッと肩を揺らす三蔵。過剰な反応に思わず止まった悟浄の手を、そのままやんわりと払います。決まりの悪そうな三蔵。「……おまえ、よく悟空や八戒の頭平気で撫でられるな」窓の外に視線を遣りながら、三蔵が零します。あー、と合点がいく悟浄。「……なるほどな。ワリ。もうしねえ」さらりと言う悟浄。おまえがやめなきゃなんねえこと他に幾らでもあんだろうが、と思いつつも、何故かそれを口に出せない三蔵。
そして着いた先は。「……何で海なんだよ」「んー?」夜の潮風に吹かれて歩きながら、身を竦ませる三蔵。同じく身を竦ませて、ポケットに手を突っ込んだ悟浄が笑います。「……おまえ最近すーげえ眉間に皺寄ってっからよ。風にでも当たった方がいーんじゃねえかと思って」「……誰のせいだと思ってやがる」「……やっぱ俺のせい?」笑いかける悟浄。三蔵は軽い溜め息。「……テメェが面倒事押し付けるからだろ」「……でも押し付けられてくれんじゃん?」「ふざけんじゃねえ殺すぞ」「ははっ。おまえそれ親父さんにも言ってやったら?」「……帰ってきたらな」「そーしろそーしろ」上機嫌にも見えて、何処か捉えどころのない、悟浄の笑顔。立ち止まって、黒い海を眺めます。「……おまえ、いっつもここに来てたのか」何処に連れて行かれるかと思えば。「んー、いや、適当にふらっと。あとはまあ女のトコとか、昔のダチとか?」「……ろくでもねえオトモダチか」「そー言うなって。フツーに付き合う分にはそんな悪い奴じゃねェぜ?」「……切れねえのか」「……まあ、色々世話にもなってるしな」遠くをみつめる悟浄。「……ここ来てたのは、もっとガキん時。行くトコねえなって時にとりあえず来て、ぼーっと海眺めてよ。身体はすげえ寒ィんだけど、何時間でもこうしてられるような気がして、……まあそのうち、腹減ってきたりションベンしたくなったりすっから、それでしまいなんだけどよ」低く呟くような悟浄の言葉を、黙って聴いている三蔵。「……ま、ほら。おまえにもさ、やめらんねえもんあンだろ?煙草とか」三蔵と視線を合わせる悟浄。「……強くありてェな、とかさ」悟浄にみつめられながら、三蔵は考えます。どうしてこの男に見透かされても嫌じゃないのか。どうして、赦されているような気がしてしまうのかを。「気にすんなよ、三蔵」真っ直ぐに投げられる、悟浄の言葉。「おまえにはさ、やっぱ胸張っといてほしいワケよ。でねーと俺が迷うじゃん?」言葉も出ない三蔵。色々な想いが湧く中で、結局口を突いて出たのは、率直な。「……勝手すぎんだろ……」「……ワリ。でも、本心だわ」「……」「……頼むよ」懇願しているようにすら聞こえる、悟浄の言葉。悟浄の正面に、三蔵が立ちます。悟浄の髪を引き寄せ、目を閉じて、唇を重ねる三蔵。悟浄も応えるように瞼を下ろして、片手で三蔵の頬を支え、唇で唇を愛撫します。「……コレ、返事?」如何にも色男めいた笑みを向けてくる悟浄に、三蔵が言います。「……返事しなきゃなんねえのはテメエの方だろうが」不遜な物言いに、ふっと笑う悟浄。「……はァい」どうしようもねえ馬鹿だ。俺も、おまえも。前に立って歩き出した悟浄の後ろ姿を、三蔵は眺めます。風に煽られて舞う悟浄の髪は夜に紛れて深く、血の色だろうが何だろうが、区別がつかない。このどろどろした感情も、紛れもない憧憬も、宥められるのはただ一人なのに。……今この瞬間だってそうだ。おまえの美しさをこの目で見たと言ったって、きっとおまえは、信じない。
続く!
悟浄八戒なら川の側とか夕方の買い物帰り、悟浄悟空なら夜のコンビニ帰り、悟浄三蔵はどんな情景がいいかなあっていうのをずっと考えてて、いっそ最後までベッドの上を貫くのもアリかもという発想を経由しつつ、思い切って夜の海にしてみました。シチュがバシッと決まると会話の温度感も見えて内容も大体決まる。

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