股間に触れた八戒の手首をつかむ。切なげに眉を下げ、引かれかけたその手を、もう一度下半身に、押し付けた。
「そのまま触って」
瞠目する八戒とみつめ合う。掌を外し、ごじょ、と言いかけたその声を、唇で塞いだ。眉間に深い皺を刻んで、それでも八戒が目を閉じたから、俺も瞼を閉じて、舌を追った。
俺の性器に直に触れる八戒の手つきは、懸命で器用でいやらしかった。撫で擦られて血の集まる感覚に任せながら、八戒をベッドに押し倒す。御開帳とばかりに脚を開いて、先走りを垂れ流す完勃ちの性器を晒しながら、俺のモノを誘うように愛撫している。ひくつくソコに指をあてがっただけで、八戒は声をあげ、俺の身体にキツく脚を絡めて身悶えた。
「あっ、ごじょ、シてっ、悟浄のっ、欲しっ」
「っ、ちょっと待てって」
「やっ、あたま、おかしくなるっ」
「……なっちまえば?」
軽薄に投げた言葉は、結構本気だった。左目の瞳が濡れたまま揺れ動いて、やがて俺を射抜くのを、じんわりと待った。
「……じゃあ、……ごじょうも、なって」
哀願するように八戒が言うから、俺は苦笑した。
「……もーなってる」
腕を背中に回させて、肌を合わせる。皮膚が重なると、八戒の身体の熱さがよくわかった。体温が伝染したように汗が噴き出してきて、髪を掻き上げる。クスリの作用か、触れたソコは既に柔らかく溶けていて、挿入した俺の指を熱くキツく締め付けた。
「あっ!あ、あ、あっ!」
「……気持ちイ?」
「キモチイイッ、あっ、……ごじょ、挿れてっ」
「もーちょい」
「やっ、おねがい、挿れてっ、……ナカで、気持ちヨくなって……っ?」
髪を振り乱して喘ぎながら、八戒が俺の身体を必死に引き寄せる。切実すぎる声、指を食い締めるナカの感触が、ダイレクトに腰にキた。
「……もーわかったから」
答えになっていない答えを返して、ゴムのパッケージを破る。2個しか持ってねえけど足りねェよなたぶん、なんて、嫌に冷静なことを思って、こんなどうしようもない状況で普通にしていられる俺がマトモな訳ねえよな、と胸の内で笑った。
ほんの数十分前には想像もしていなかったコトを、俺は八戒としていた。硬く凝る下半身を押し付けて飲み込ませると、八戒は感じ入ったように射精する。貪欲に俺の腰に媚びながら、さらさらと流れ落ちる涙が、苦しそうで哀れで、綺麗だった。
別に、怖がることない。
俺がはじめて見た時のおまえ、もっとどろどろでぐちゃぐちゃだった。