【1day1pict】 お題配布元:1day1pict

081.見つめる


 それから、悟浄は二回続けて、僕を抱いた。その間も僕に対する気遣いを忘れることはなかったけれど、手首に絡んだ悟浄の手はほどかれないままで、それが何だかアンバランスで、……正直、興奮した。
 全裸で、ふたり、ベッドに横たわる。悟浄は仰向けになって天井を見上げている。シャワーを浴びたいような気もしたけれど、何となくこの空気を破りたくなくて、横顔をそっと見遣った。
「……熱視線」
 静かな指摘と共に、悟浄と目が合う。動揺している間に悟浄が僕の方へ身体を向けたので、僕もそれに倣うように向かい合った。
「……ワリィ、……結局無理さして」
「……いえ、……その、気持ちよかったです」
「……ならイーんだけど」
「……はい」
「……おまえさ」
 続きを待ったけれど、悟浄は口を噤んだままだった。何が悟浄を躊躇わせるのかは、やはり僕にはわからない。それでも僕をみつめる悟浄の目を見ていたら、勝手に口が、動いた。
「……すみません。……こうしたいって、思っちゃったんです。貴方と」
 エゴそのものの発言なのに、僕は微笑んでいた。悟浄の訊きたいことが、何故か解ったからかもしれない。呆れられるか、あるいは責められるのかもしれないと思ったが、悟浄は顔色を変えなかった。
「……じゃあ、さ」
 半身を起こし、悟浄が僕に覆い被さってくる。長い髪が落ちかかって、視界が悟浄だけになって、まだ余韻の残る身体が甘く疼いた。
「……何処にも行けねぇようにしてやろっか」
 いっそのこと。
 いっそのこと、悟浄が僕の心臓を握ってくれたら。
 僕の不埒な妄想を見透かすように、悟浄が笑う。
「……だァからンな顔すんなっつの」
 僕は今、どんな顔をしているんだろう。悟浄の唇を受け止めながら、深く舌を絡めながら。どうしようもない多幸感に、震えていた。


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