三蔵は何も言わない。だから理由も本心も知りようがないが、ただ少なくともその一時だけの慰めに、手近な俺を指名してくれることがある。実際俺がそれに応えるのに、三蔵の方の事情は関係がなかった。
儀礼的に交わされるキス。唾液が絡み合い、これでもかと水音を立てる。煙草の味の残る、苦い舌だ。明るい部屋で、立ったまま、何度も何度も唇を味わう。三蔵が目を開けているのは知っていたが、俺は毎回きちんと瞼を下ろした。
俺を見上げる目は確かに濡れている。下半身の欲望も隠しようがないのに、何故か腰を抱くことさえ躊躇われた。三蔵は冷静に、あるいは投げやりに俺を見ている。服を脱ぎ捨てる仕方で、それが解る。
上半身を自分で露わにすると、三蔵はベッドに寝転がった。俺も手早く上着の袖を落とし、タンクトップを床に放る。
脚を開かせ、その間に身体を割り込ませる。三蔵はなすがままだ。尻の狭間を指で辿っていくと、微かに眉を顰めて身をよじった。ここに己を埋めて、腰を振ることは許可されている。でも、それだけだ。
俺は望まれるまま、暴漢めいたご奉仕を始めた。
犬みたいに。