【1day1pict】 お題配布元:1day1pict

163.見上げる


 顔を真っ赤にし、荒く息を吐きながら、それでも悟浄は、ゆっくりと僕の中に入ってきた。ああ、本当にしちゃった。悟浄と。自分から誘っておいて、何処か冷静な自分が、そんなことを思う。
「……あの、……動いて大丈夫ですよ」
 悟浄の手からコンドームを抜き取り、装着したのは僕だった。その張り詰め具合は、今も身体の内側から感じ取れる。悟浄は僕を軽く睨みつけた。
「挿れてすぐ出すとか俺のプライドが許さねンだよ」
「……そんなこと言ってる場合じゃないでしょう」
「……つか、痛ェだろ」
「痛くないですよ。……大きいので、少し苦しいですけど……」
「……おまえね」
「っ、あっ」
「ワリ、……一回出す」
 決して乱暴ではなく、それでも解放を目指していると解るペースで、悟浄は抜き差しを繰り返す。あっという間に射精し、速やかに抜け出る性器は硬いままで、僕は身を震わせた。もどかしい喪失感に浸る間もなく、流れるようにゴムを付け替えた悟浄が、今度は当然のように僕の中に入り込んでくる。
「……あー……っ」
「……ワリ……」
 悟浄の声は低く、かすれていた。その余裕のなさを感じ取った瞬間に何故か胸が締め付けられ、もっと悟浄を感じようと内側が収縮する。身体の奥の奥で脈打つ感覚。眼球を直に撫でられているかのような、恐怖と紙一重の期待で悟浄を見上げた。
「……ごじょう……」
「……おまえがヤじゃなかったら、キスさしてくんね?」
 眉を寄せた悩ましい表情で、悟浄が言う。僕にとっては意外な提案で、けれど断る理由なんて一つも無かった。首に手を回すと、悟浄はすぐさま舌を絡めてくる。とろとろとしたキスに不思議なくらい多幸感が溢れてきて、硬く容赦なく犯された下半身が怖いのに切なくて、僕は自分から彼に腰を押し付けた。
「っ、……おい」
「ごじょう、……早く突いて……」
 ダチだと言ってくれた悟浄には申し訳ないけれど、これが僕の本心だった。気持ち良くなりたかった。悟浄と。悟浄だから。
 悟浄は苦しそうに舌打ちした。
「……後で殴れよ」
 ダメ押しのセリフを吐いて、悟浄は僕のおねだりを叶えてくれた。何度も何度も奥を突かれて、全身が悦びに沸き立つ。悟浄がワリィ、と謝る度に、僕は首を横に振った。媚薬を飲まされた悟浄よりも簡単に理性を手放す、僕の方がよっぽどどうかしている。


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