悟空を預かってちょうど一週間が経った夜、三蔵から「明日戻る」と連絡が入った。
『世話になったな』
「おー」
『悟空はどうしてる』
「元気いっぱいよ? さんぞーさんぞーうるせえの」
電話越しに聞こえてくる三蔵の声は深くて、酷く懐かしく響いた。そうやって昔の糸を手繰り寄せようとしてる自分に、気付いてもいるけど。
「……三蔵」
『何だ』
なあ、何で今頃俺に電話なんかしてきたの。何で俺なの。俺のことなんて忘れてたんじゃないの。俺とまた、何か、繋がるつもりあんの。それともただの気紛れ? なあ、三蔵。
「……早く顔見せてやれよ、パパ」
『……そいつは俺のガキじゃねえよ』
「知ってる。悟空に聞いた」
『そうか』
目を閉じる。電話の向こうで、ライターを擦る音が聞こえた。
『悟浄』
「んー?」
『助かった』
また頼む、と三蔵は俺の意向なんかまるっきり無視して、当然のように付け足した。
電話を切ってから、俺はがっくりとうなだれた。
あーあ。
馬鹿じゃねえの、俺。