【1day1pict】 お題配布元:1day1pict

238.壁に手をつく


 膝の辺りに溜まったジャージ。目の前には白い壁。俺は嘘のように久保ちゃんを受け入れた。まるで、ハジメテじゃないみたいに。
 ハジメテじゃないみたい、って言ったのは久保ちゃんだ。知るかよ、と俺は心の中で悪態を吐く。俺を後ろから押さえつけた時も、下を脱がせた時も、勃起したモンを突き入れてきた時も、久保ちゃんはあくまで淡々としていた。
 さっきからガン突きされて苦しいし気持ち悪いし吐きそう。久保ちゃんが腰を引き寄せるように固定していて逃げられない。加減もクソもないピストンが続く。もしかしたらこいつは、壊そうとしているのかもしれない。
「……キスも出来ねえくせに、っ、レイプは出来んだな」
 思考を放棄したくなるのを叱咤して、俺はやっとの思いで言葉を吐いた。久保ちゃんの動きが止まる。
「……知ってたの?」
「……おまえの考えることなんかお見通しだっつの」
「酷いなあ」
 俺のせいかよ。
 久保ちゃんの指が前に触れて、俺は大きく肩を揺らした。優しく容赦なく上下する。それは、この行為ではじめて気持ちいいと言える感覚だった。馬鹿みたいに声が漏れる。
「うあ、あ、あっ」
「……すごいね。キモチイイんだ?」
 何がすごいのか知らないけど、俺が久保ちゃんの手を濡らしてるのは感覚で分かった。先端に溜まった液が絡んで、ぐちゅぐちゅと水音が鳴る。俺は壁に縋った手に額を寄せた。自分の吐く息が熱い。
 久保ちゃんが、思い出させるように腰を揺らした。
「んあっ」
「……ね、中に出していい?」
「っ、ふざけんな」
「ふざけてないよ」
 久保ちゃんの動きは明らかに手慣れてて、おまえの方こそぜってえハジメテじゃねーだろ、と思う。前から快感を引きずり出されて、後ろが勝手に締まる。奥で久保ちゃんが脈打つ。苦しい、気持ちいい、気持ちいい、辛い。
「……抜けよ」
「……えー」
「いいから抜け」
 口では文句を言いながら、さっきまで乱暴してたとは思えないくらいあっさりと、久保ちゃんは腰を引く。その場に崩れ落ちそうになった俺を、久保ちゃんの腕が抱き留めた。


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