【1day1pict】 お題配布元:1day1pict

265.ひざまづく


 端的に言うと、これは媚薬ネタだ。
「……色男も大変なんですねえ」
「……観察すんなっつの」
 事の経緯を説明された八戒は、物珍しそうに俺を検分している。こいつはとにかく顔の造作が整っていて、ただ普通にしているだけで美人だ。入浴後のラフな服装で、無防備に晒された白い首筋が目を射た。自分が俺にどうにかされるなんて想像もしてない。当たり前だ。当たり前なのに、酷く喉が渇く感覚がした。
「……八戒」
 名前を呼んだだけだったはずなのに、八戒は目を見開いた。
 バレた。最悪だ。
「……悟浄」
「待て。何も言うな。ワリィ、俺今マジでどうかしてて」
「あの、……いいですよ。……僕、どうすればいいですか?」
 八戒はちょっとはにかんで、そんなことを訊いてくる。
「……は?」
「ほら、……僕が貴方に拾われたばっかりの頃、怪我をしていた僕の処理を手伝ってくれたことがあったでしょう。……あの時の借り、お返ししますよ」
 無かったことになっていたはずの過去を蒸し返されて目眩がする。確かに俺は、あの時目の前の男に手を出した。勿論ただのボランティアなんかじゃなかった。だからこそ、こいつが再び俺の前に現れた時から、蓋をすると決めたのに。
「……別に貸したつもりもねェし、あんなモン時効だろ。つーか俺もうトイレでヌくから」
「……僕じゃ力不足ですか」
「そういう問題じゃねェだろ。……ダチなの俺とおまえは!」
「……大丈夫。ダチですよ」
 何一つ大丈夫じゃないのに、八戒はきっぱりと言いきって、俺の前に跪いた。八戒の長い指がベルトにかかるのを、何故か俺は、止めることが出来ずにいる。
 下着を下ろされ、勢いよくとびだした俺のムスコが、八戒の頬に当たって、また反り返った。
「……さすが、ご立派ですね」
「……俺もこんな角度久々に見たわ。ガキみてえだな」
 口端を上げて、肩の力を抜いた。俺は昔から諦めが早かった。どうせこいつは言いだしたら聞きゃあしないんだし、それに。
 竿の根元に手を添え、これ見よがしに八戒の口元に突きつけた。
「……コレ、舐めれる?」
 八戒は俺の目をじっと見て頷き、瞼を伏せて、俺の性器を銜え込んだ。悪い夢じゃない証拠に、包み込まれた中は温かい。背筋がぞくりと粟立ち、キツく目を閉じる。この世の終わりみたいに気持ち良かった。


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