【1day1pict】 お題配布元:1day1pict

341.追いかける


 次に悟浄と肌を重ねることになったのは、一週間後のことだった。ベッドの上、一糸纏わぬ姿で、悟浄に向けて脚を開く。僕の内側を指で探りながら、まるで世間話のような調子で、悟浄は訊いた。
「……姉ちゃんとはさ、普通にヤってたんだよな」
 こんな状況で彼女の話題を出されるとは思いも寄らない。僕は驚いて目を上げたが、悟浄は僕の下半身に視線を落とし、丹念な愛撫を続けている。悟浄の意図が読めないまま、僕は答えた。
「……ええまあ、そうですね……普通に」
 言ってから、僕が「普通」を語るのはおかしいのかもしれないと思ったが、悟浄が気に留めた様子はなかった。
「……俺あんま、愛し愛されっつーの?そういう経験ねーからよ。よくわかんねぇんだよな」
 この一週間の間で、悟浄が何を考えたのかはわからない。けれど最初の夜とは、明らかに雰囲気が違っていた。率直な悟浄の吐露。身体の内側も胸の内側も乱されながら、僕は応える為の言葉を探した。
「……そうですね……幸せでした」
 それはやはり、懺悔だった。誰に対する懺悔なのかは、わからないけれど。
「……繋がりたかったんだと思います。身体も、心も」
「……」
 ゆっくりと、悟浄が指を引き抜く。一瞬ここでやめてしまうつもりなのではないかと思ったが、杞憂だった。屹立した性器にコンドームを装着し、閉じかけていた僕の脚を自然に開く。たった一度で、僕の身体はもう悟浄のものだった。
 ソコに、先端が、触れる。
「あっ……」
「……キツかったら、言えよ」
 念を押してから、悟浄は僕を貫いた。苦しいけれど、受け入れ方はもう知っている。犯される悦びが確かにあった。悟浄に支配されたい。あるいは、悟浄のすべてを、赦したい。
 身を捩った僕の左の手首を、悟浄がつかんだ。労るような、哀れむような、悟浄の目。
「……キツイだろ」
「……平気です……」
「……別にキツイって言われてもやめねーって」
 息を呑む。僕こそがすべて赦され、導かれ、その上愛されたいとまで望んでいる、そんな浅ましさをこの男は見通している。確信だった。それなのに、悟浄はもう一方の手で、僕の右手首をそっとシーツに縫い止める。
「……思い出にしてやった方が良かった?」
 眉を寄せて、悟浄が、笑った。


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