僕は三蔵を愛しているだろうか。
組み敷き、貫き、喘がせながら、僕はそんなことを考えている。頭の何処かはいつだって冷静だった。三蔵は何を思って僕に抱かれるのだろう。考えたところで、解りはしないが。
「三蔵、……イイですか?」
「……っ」
「お尻、僕のコレで、キモチイイですか?」
ピストンする毎に中はきゅうきゅうと締めつけ、三蔵は喘ぎとも呻きともつかない声を上げる。感じているようにも見えるし、苦しんでいるようにも取れた。三蔵は目を閉じている。僕は三蔵の脚を高く持ち上げて身体を起こすと、上から奥まで突き入れた。
「……っ!」
「何とか、っ、言って下さいよ」
三蔵はゆっくりと目を開けた。口元が歪む。
「……べらべら喋るんじゃねえよ」
男に後ろの穴を蹂躙されているというのに、それは不敵な笑みだった。
「……解りました」
僕は三蔵の脚を下ろして、挿入したまま後ろを向かせた。激しく突き上げを始めると、やはり声を上げて三蔵の上半身がシーツに沈む。バックはイイ。犯しているようで興奮するし、顔が見えない。
これは征服欲、支配欲だ。だってこんなにもキモチイイから。
最後に抜くのも面倒になって、僕はそのまま三蔵の中で果てた。
「……煙草吸うなら、窓開けて下さいね」
床に落としていた衣服を身につけながら、僕は言う。単純だが、射精したことで僕は既に日常の感覚を取り戻しつつあった。今回三蔵はイっていない。というか、ほぼイかない。それについて三蔵が不満を訴えたこともない。
ベッドに横たわる三蔵の髪に、出来るだけ優しくキスをした。僕は三蔵に対する時常に、この感情を持て余していた。思い切り甘やかしてやりたいような気もするし、手酷く思い知らせてやりたい気もする。
「八戒」
深い色の瞳が、僕を見上げた。
「俺を試したいか」
僕は言葉を失い、茫然と立ち尽くした。
指先の震えが止まらない。
恋人の、こんな些細な一言で。