お題配布元:LazyMirranda

君にだけ綺麗でいたいの


 母は愚かな女であったらしい。私を引き取った父親は、よくそう言っていた。そして父は、そんな母に似た私を、性的に扱った。一線を越えたことこそなかったけれど、私は幼い頃から父のペニスを愛撫していたし、食事の前や眠る前にキスをする「習慣」は、私が院に進学するまで続いた。
 幸いにも私は成績が良かったので、勉学に励んだ。特に優秀な生徒は、全寮制の大学院に入ることが出来たのだ。狭い世界に生きていた私にとって、それは家を出る為の唯一の手段に思えた。息苦しく、気持ち悪い生活から逃れたかった。
 そして私は出逢ってしまった。顔もろくに覚えていなかった、生き別れの弟と。

「……悟能の手は、キレイね」
 頬に触れた悟能の手に、私は唇を押し当てた。指が長くて、手触りはさらさらとしている。悟能は少し笑った。
「花喃の方が綺麗だよ」
 私の膣の中で、弟のペニスがどくりと脈打つ。悟能が私と指を絡めた。隙間なく抱き締められて、私は天井を見上げる。理由の解らない涙が、頬を伝った。
 私のしていることはどうしようもなく不幸なことかもしれず、けれど私は、幸せだった。


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