【月曜日のひとかけら】 お題配布元:インスタントカフェ

1.朝方の言い訳


 ジーンズを引き上げてベルトを締める。カーテンの隙間から見える空は、既に白んでいた。
「もうちょっと寝ていけば?」
 足元から聞こえた声は、寝起きのややぼんやりとした発音だった。真っ裸の悟浄が、布団に転がったまま俺を見上げている。
「一旦家に戻る」
「……早くね? 今何時?」
「5時前。1限提出のレポートがまだ終わってねえんだよ」
「あー、お疲れ」
 投げ遣りに悟浄が笑う。すらりと伸びた長い脚が、布団からはみ出していた。
 実際身体の相性というものがあるのかどうか知らないが、あるとすると俺と悟浄のそれは恐ろしく良く、休みになると一人暮らしの悟浄の部屋にしけこむのが常になっている。比喩でなく、ヤって寝ての繰り返しで一日を使ってしまうこともあった。ゆうべだってこうなることが分かっていたから早めに帰ろうと思っていたのに、こいつが隙だらけでそこにいるもんだから、ついまた手が伸びて、ヤって寝て。
「でもさあ、出てく時はちゃんと声かけてってよ」
 悟浄がごろりと身体を反転させ、上体を起こす。含みを持たせるように、ニヤリと笑った。
「起きたら隣にいねえって、寂しいもんよ?」
 ある意味、周囲に女を絶やさないこいつらしい意見と言えた。が、それを今更口に出すのも馬鹿らしいので、とりあえず悟浄の肩を押して問答無用で股を開く。
「……え、何、ヤんの? 時間は?」
 俺はスマホで現在時刻を確認して、逆算した。
「10分だな」
「うわー」
 口では言いつつ、腕は肩に回り脚は腰に絡んでいる。俺はまあ、手始めに唇を塞いだ。
 これだからこいつは。


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